1000兆円の国の借金。
支出削減と増税も結構ですが、根本的な改善には、自然に財政の諸指数が良くなり、行政サービスの品質レベルが上がるような「仕組み」をつくることが必要です。
なに?そんなことができたら苦労しないって?
そうでもないと私は思いますよ。確かに相当な努力は必要ですが、アイデアはあります。
以下のアイデアは、もちろん私のオリジナルではありません。私はこんな立派なアイデアがだせるオツムは持ち合わせていませんので。
例えば:
(1)公教育(=義務教育+国公立の高校・大学)の改革
現在自治体が学校に出している教育資金。このお金を全て、学校にではなく、生徒に育英資金として支給する。
生徒がどの学校に進学するかは生徒(=の家庭)に任せる。そして生徒が進学する学校に授業料として払わせる。
これでお金の流れ方が大きく変わります。逆流といってもいいくらいです。
学校はその授業料(だけ)で運営してもらう。私立と国公立の区別は撤廃する。
低所得の家庭には、生活保護と同じ発想で、育英資金を手厚くする。
努力をしない学校は、そりゃ、干上がりますよ。仕方ありません。経営危機の企業と同じ発想で立て直しを図ってください。
(2)国と自治体の予算制度の改革
現在は単式簿記制度。従って、現在、国と自治体には「資産」や「減価償却」という発想がありません。
また、今は、予算は必ず消化し、余った予算は国会の承認を得ないと繰り越せない、なんていう制度になっているようです。冗談じゃありません。
これじゃお金はいくらあっても足りません。
「複式簿記」制度を取り入れる準備に早急にとりかかるべきです。これは大変な作業ですが。
そして、資産と減価償却、および棚卸資産と損益の発想を導入すべきです。
昔、一度、やりかけたようですね。
中央省庁と自治体は、部門ごとにそれぞれ独立採算制度を取り入れるべきでしょう。公益法人として独立させてもいいですね。
企業と同じように業績評価を、選挙で選ばれた人たち(=政府)が責任を持って行うべきです。
この複式簿記に裏打ちされた独立採算の枠組みの中で、公務員の賃金も決めればいいと思います。
つまり、仕事で実績を上げなければ、給与を払うための原資がなくなるということです。
効率が悪く損益が悪い自治体はリストラや民営化を行うのは当然です。
アメリカのように、国や自治体にも倒産の概念を導入しましょう。
現在の「特別管理自治体(?)」制度なんて、ほとんど「特別優遇制度」みたいです。
倒産した自治体の公務員は、「ちゃんと(?)」路頭に迷ってもらいます。
倒産した自治体の公共サービスは民間企業に委託するしかありません。そのためには、日ごろから公共サービスの民間委託を進めておく必要があります。
そうなると、手広くあちこちの自治体の公共サービスを請け負う企業が出てくるでしょうね。今もすでにあるようですが。
(3)国債残高問題----私の視点
国債残高のデータを国際比較すると、日本の場合、非常に顕著な特徴があります。
それは国債の消化が、ほとんど国内でなされているということです。
国債は、発行者にとっては借金ですが、引き受け者にとっては財産です。
つまり、膨大な国の借金は、これに対応する膨大な財産の持ち主がどこかにいて、その人たち(=法人?)は、日本の国内にいる、ということです。
これは、不幸中の幸いというか、大変良い情報だと思います。
国の借金は膨大だけれど、現金は国内のどこかにあるわけです。
つまり、インフレを輸入しなくて済むからです。
日本の国債残高問題は、他国と違って、幸いにして国内問題であり、打つ手はあるということです。
例えば、大口引き受け先が生保や銀行なら、これらを国有化することによって、一気に相殺(そうさい)する、という手があるからです。
これは金の流れの急所でしょう。
(おまけ)公認会計士改革
試験の合格定員が大幅に増えましたね。
しかし、増えればいいってものじゃありません。
株主の財産保全が仕事なのに、監査対象の企業から収入を得る仕組みになっています。
仕事の性質上、株主が雇い、株主が報酬を払うべきでしょう。
監査先の企業から報酬をもらう?
これ、一般常識では、普通、「賄賂」って言いません?
お金の流れがおかしいですね。
中央青山監査法人の粉飾幇助事件が問題になってます。
しかし、ビジネスの世界では、報酬をくれる人に忠誠を誓うのは当たり前じゃないですか!
冬になれば寒くなるのと同じくらい自然な、起きるべくして起きた当然の出来事です。
だから、この事件の再発を防止するのは難しいでしょうね。下りのエスカレータを上るようなものですもの。
結論。改革のポイントは、何事も「仕組み」を正常な形に直すことです。(以上)