2006年01月08日

国債・地方債残高1000兆円の意味

●国債残高600兆円の保有者の内訳は、財務省のレポートによると次のとおりです。(2005年6月末現在)

(1)政府等41%、(2)市中金融機関32%、(3)日銀(!)14%、(4)海外5%、 (5)家計4%、(6)その他4%
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/jgb2005_10j.pdf

●一方、地方債400兆円の保有者内訳は、残念ながら2001年度末の古いデータしか見つけられませんでしたが、大体次のような構成です。

(1)政府等38%、(2)市中金融機関45%、(3)家計2%、(4)その他15%
http://www.nochuri.co.jp/report/pdf/f0302fo1.pdf

●国債・地方債の海外の保有者は、全体の2%に過ぎません。この点は、欧米諸国と大きく異なる、わが国の著しい特徴です。

●貸し手側のわが国内金融機関の主な資金調達先が実は海外、と言うことは考えられます。但し、わが国の国際収支はご存知のとおり大幅な黒字です。だからといって「たいしたことない」とは言い切れませんが。

●このことは、当サイトで何度か申し上げたとおり、わが国の1000兆円にのぼる政府・地方自治体の借金は、貸し手側、つまり債権者がほとんどすべて国内にいる、と言うことを意味してます。

●1000兆円もの債権を持つ者が、全て国内にいる!

●つまり「財政を再建する」とは、1000兆円もの資金を、国内で、AさんからBさんへ移動させることらしいのです。

●そうなると、どういう政策をとっても、日本の国内経済には、マクロ面ではあまり響かないでしょう。従って外国為替相場も、日本の財政が原因で大きく変動することはなさそうです。

●ところで、残高全体の4割を保有しているのは、郵政省を筆頭とする政府および公的年金などの政府系金融機関です。

●注目すべきは、日銀が国債の実に14%を保有していること。

●国債の日銀引き受けはインフレを引き起こす一番手っ取り早い方法だと言われています。なにしろ、いざとなれば国債を担保に輪転機を回してお札を増刷すればいいんですから。そりゃ、貨幣価値は下がりますわ。

●政府と日銀の保有高を合わせると、1000兆円の残高の半分近くを占めています。これらは要するに政府内での内部取引のようなのです。

●特に郵政省の郵便貯金と簡易保険は、もともと公的資金の調達が目的の事業だけに、大きな割合を占めています。

●国債・地方債の本当の大口保有者は、郵便局に貯金をし、簡易保険の契約をしている零細な一般庶民ということになります。

●最近の増税案は、郵便局を通して小口の資金を政府に用立て、行政に貢献している一般庶民を直撃する内容であり、納得がいきません。

●戦時中、「お国のため」と、なけなしの金で戦争国債を買った庶民を、「戦時国債の紙くず化」が襲いました。その、姿を変えた二の舞は勘弁して欲しいです。

●現在、政府がしきりにアドバルーンを揚げて様子を見ている財政再建策は、日本国内の景気全体の足を引っ張ると言う点では、影響は小さいかもしれません。しかし、国内での富の大幅な異動は引き起こしそうです。その結果「お金持ちは、ますますお金持ちに、貧乏人は、ますます貧乏に」と言うことになるはず。

●庶民には怖い時代がやってきそうです。(以上)



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