2005年05月03日

スマイリーの読書クラブ・新版・第3号

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○●○ スマイリーの読書クラブ・新版 ●○●
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−スマイリーの読書クラブ−
1.毎月第一月曜日の朝発行です。
2.読書好きの働き盛りの方々に、多彩な書籍の情報をお送りします。気に入って
いただけたら、オンライン書店で、すぐに購入できます。
3.コンテツンツは次のとおり。
 (1)注目のビジネス書
 (2)「今月のおすすめ書」または「新聞・雑誌の読書コーナーから」
 (3)特集:
 (4)図書館の蔵書から
 (5)今月の心に残る言葉
 (6)スマイリーの日記
4.登録・解除はこちら
http://www.mag2.com/m/0000131354.htm
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−第3号(2005年5月2日発行)−

0.始めに
本好きの皆さん、こんにちは!スマイリーです。
元気にお過ごしですか。
先月は発行できなくてごめんなさい、今月からまた張り切ってご案内いたします。

(目次)
1.今月のおすすめ書
―平岩弓枝「はやぶさ新八御用旅『日光例幣使道の殺人』」(講談社。1500円+税)―
2.注目のビジネス本
―市田美加「兼業・週末企業から始めて『1年で1億2000万円ネットショップを
つくる』」(ダイヤモンド社。1400円+税)―
3.図書館の蔵書から(1)
―斎藤美奈子「趣味は読書」(平凡社。1429円+税)―
4.図書館の蔵書から(2)
―橘玲「得する生活」(幻冬舎。1500円+税)―
5.今月の心に残る言葉 
6.スマイリーの日記

(アマゾン)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?tag=smilynet-22

************************ 本誌 *******************************

1.今月おすすめ

−平岩弓枝「はやぶさ新八御用旅『日光例幣使道の殺人』」(講談社。1500円+税)−

●私にとっては待望久しい一巻です。今回も期待にたがわぬ面白さで、一晩で読んで
しまいました。
●平岩さんの時代小説のなかでは「御宿かわせみ」シリーズと「はやぶさ新八」
シリーズが私のひいきです。特に「はやぶさ新八」シリーズは、タイトルだけ
みると町人物のような感じですが、実は私好みの武家物捕り物帳です。
●今回は、お公家さんが日光へ公式出張する途中に起こった謎の失踪事件と
殺人事件に取り組みます。最近のこのシリーズは東海道に中仙道と長旅ものが
続いています。物語については「読んでからのお楽しみ」と言うことにして
おきます。
●ただこのシリーズで、私が唯一気になって仕方がないのは、主人公の主君、
根岸肥前守鎮衛(やすもり)を描くときの作者の文体です。作家と作品のスタンス
と言いましょうか。例えば、「---が余程お気に召したのか---」「お召しかえも
なさらず---」「独り言のようにおっしゃった」「お召しかえを始められた」
等々。この敬語は何なのでしょう。随分不自然です。高貴な身分の滋野井公敬に
対してはちっとも敬語を使っていないんですから。
●主人公の視点で描写されている場面が多いことは確かですが、主人公、隼新八郎
の独白体で作品が描かれているわけではありません。作者がなにも、登場人物に
すぎない「主君」に敬語を使う必要はないわけです。この点だけが私には、読
ながら小骨として引っかかっていました。
●小説作りと言うのは孤独な作業でしょうし、平岩さんぐらいの大御所になったら、
周囲の人も気軽に「ここ、おかしいんじゃない?」なんて言えないんでしょうね。
でも作品自体はとっても面白くて満足しました。

http //www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062126931/smilynet-22/
249-9230753-7711512?%5Fencoding=UTF8&camp=247&link%5Fcode=xm2

2.注目のビジネス本

―市田美加「兼業・週末企業から始めて『1年で1億2000万円ネットショップ
 をつくる』」(ダイヤモンド社。1400円+税)―

●「週末企業」に「ネットショップ」。近頃の私の憧れのキーワードがふたつも
タイトルに並んでおり、その上表紙の帯に載っていた明るくチャーミングな著者の
近影にひかれて、読んでみました。
●著者は始め、勤めの傍ら自分でお店を開き、主にネットを通して商売を広げて
成功し、ついに独立を果たした女性実業家です。現在は同じように起業を目指す
人に、コンサルティングも行っています。
●成功者の実体験談というのは、まことに示唆に富んでいます。この本でも重要な
指摘が随所に出てきます。
●例えば、
(1)通販の主役は財布を握る30代〜40代の女性であり、女性誌の分析から
   始めるべき
(2)送料設定が売り上げを大きく左右する
(3)提案型ショップを目指し、その商品のメリットはなにかを訴える
(4)「また買いたい」というお客様の心は買えないから、細やかなサービスが
   大切
などです。なるほどなるほど。
また、女性ならではと思われる、お客様を喜ばせ、信頼を勝ち取る細やかな気配り
の事例がいくつもでてきます。
●これらの内容の是非については、自分で事業を行った経験のない私には判断
できませんが、こういった指摘は、私のようなサラリーマンにも仕事をする上で
参考になります。
●この本を読んでいて感じるのは、同じような仕事をしても、この方のように
自分の事業として行うのと、人に雇われてサラリーマンとして取り組むのとでは、
仕事に取り組む姿勢が相当に違うな、ということです。お客様の信頼を勝ち取る
ことにかけての貪欲さ、真剣さが違います。
●例えば、情報収集にかける意気込みと覚悟の厳しさ、一方逆に、苦手な仕事は、
お金を払って、得意な人にあっさり頼んでしまう割りきり。こういったことは、
同じようにお金を使っても、消費とは異なる、投資になっています。
●一代で大企業を作り上げた大経営者の事跡はもちろんのこと、こういった
「お隣の成功者」からも、実践的な智恵が大いに学べるな、というのが実感です。

http //www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478530327/smilynet-22/
249-9230753-7711512?%5Fencoding=UTF8&camp=247&link%5Fcode=xm2  続きを読む

Posted by smily2005 at 11:27Comments(0)TrackBack(0)

2005年03月07日

スマイリーの読書クラブ・新版・第2号

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○●○ スマイリーの読書クラブ・新版 ●○●
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−スマイリーの読書クラブ−
1.毎月第一月曜日の朝発行です。
2.読書好きの働き盛りの方々に、多彩な書籍の情報をお送りします。気に入っていただけたら、オンライン書店で、すぐに購入できます。
3.コンテツンツは次のとおり。
 (1)注目のビジネス書
 (2)「今月のおすすめ書」または「新聞・雑誌の読書コーナーから」
 (3)特集:
 (4)図書館の蔵書から
 (5)今月の心に残る言葉
 (6)スマイリーの日記
4.登録・解除はこちら
http://www.mag2.com/m/0000131354.htm
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−第2号(2005年3月7日発行)−

0.始めに
本好きの皆さん、こんにちは!スマイリーです。
元気にお過ごしですか。
しばらくお休みをいただきましたが、先月から発行を再開しています。
なお、今回から月間でお送りいたします。

(目次)
1.今月のおすすめ書
 ―新井喜美夫「『善玉』『悪玉』大逆転の幕末史」(講談社+α新書。800円+税)―
2.注目のビジネス本
 ―あびる やすみつ「アフィリエイトでめざせ!月収100万円」(秀和システム。1500円+税)―
3.特集:古典再読
 ―芥川龍之介「羅生門」他(新潮文庫)―
4.図書館の蔵書から
 ―香山リカ「若者の法則」(岩波新書。700円+税)―
5.スマイリーの日記
6.今月の心に残る言葉 
(アマゾン)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?tag=smilynet-22
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1. 今月おすすめ

−新井喜美夫「『善玉』『悪玉』大逆転の幕末史」(講談社プラスアルファ新書。800円+税)−

●ここのところ私は、しばらく時代小説や日本史関係の本から遠ざかっていましたので、この本を店頭で見かけたとき、幕末物ということで空腹を感じ、正直なところあまり期待せずに買ってみました。ところが、読んでみるとこれが実に面白い。見方がユニークなのです。通勤帰りの電車の中で読み始めて夢中になり、危うく下車駅を乗り過ごすところでした。
●簡単に言えば、タイトルどおり、従来高く買われていた人物の評価を下げ、どっちかというと低評価されていた人物を高く評価する、という幕末の重要人物の評価を見直した、なかなか勇敢な本です。
●著者の新井喜美夫氏は1927年生まれで明治生命から東急グループに転じ、東急エージェンシーの社長まで勤めたビジネスマンですが、同時に、歴史、ビジネス両分野の著書も多いというやり手です。
●大胆な内容の本だけに、学問的な興味で読むよりも、どっちかというと楽しんで読むことが大切な本でしょう。歴史の解釈なんて、しょっちゅう変わるんですから。戦前から戦後にかけて評価が逆転した平将門や足利尊氏のような例もありますし。
●この本では、例えば第三章で、幕末の人物の中でも人気随一の坂本竜馬を取り上げていますが、この国民的な人気者を、幕末に一定の役割を果たしたことは認めながらも、「悪質な当り屋」、「金儲け好きの商売人」、「幕末の暴走族」、「命を狙っていた筋もいろいろと考えられる、かなり恨まれた人物」とこき下ろしています。
●特に著者は、竜馬が、ずうっと倒幕に動き、薩長の融和までやりながら、死の直前になってどういうわけか公武合体に走り、その筋書きを作って倒幕派を裏切ったことを問題にしています。そして、その陰に、勝海舟の意思を嗅ぎ取っています。
●私は7〜8年前、銀座の司馬遼太郎展で、坂本竜馬の直筆の手紙の実物を見たことがありますが、伸びやかな筆致、朱墨を交えたカラフルな筆使い、風景の絵まで書き込んだビジュアルさ、などを目の当たりにして、司馬遼太郎さん描くところの魅力的な坂本竜馬像を信じることにしました。しかし、新井氏のような見方もあってよいと思います。
●次いで、坂本竜馬と並ぶ人気者である勝海舟も第六章で取り上げています。著者によると、海舟は幕臣でありながら倒幕に手を貸した「裏切り者」であり、日本の行く末についても、案外、長期的視点では見ておらず、野心家で自己顕示欲の強い「ほら吹き」と著者は断じています。しかし、同時に、彼がその「ほら話」で歴史を変えたことも著者は認めています。
●一方、著者が高く評価しているのは、井伊直弼、小栗忠順(おぐりただまさ)などです。
●小栗忠順については、私は良く知らなかったのですが、友好使節団として米国に渡った折、米国通貨と日本の通貨との交換比率を見直させた、という驚くべき話や、帰朝後、日本に製鉄所を作り、米国流の株式会社制度やマネージメントの思想をとりいれて(!)経営し、それが明治になって軌道に乗り、後に日露戦争の勝利につながった、というエピソードを読んでびっくりしました。
●また、まるでヒットラーかスターリンのような独裁者に見られている井伊直弼についても、あの激動の時代に、ただ一人適切な状況判断を行い、それを断固実行して、将来の日本への筋道をつけてから、自ら望むようにして殺された、と著者は絶賛しています。
●この他、評価ダウン組の筆頭に徳川慶喜がいます。また、西郷隆盛もダウン組に入ります。一方、評価アップ組では河井継之助、そして、もともと評価の悪くない松平容保は「真のラストサムライ」として大幅アップです。
●それぞれの新しい評価の理由が、具体的な事跡に基づいて説明されています。中には「?」という個所もあって、「トンデモ本では?」と感じる方も、この本の読者の中にはおられるかもしれませんが、総じて、なかなか説得力があります。
●歴史上の特定の人物があまりに一方的に英雄や人気者だったり、逆に悪役の代表だったりする評価には、私はもともと少々違和感を感じる性質ですので、この本を読んでちょったばかりほっとしたような気分になりました。日本史好きの方にはおすすめです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062722968/smilynet-22/250-4902076-2535461  続きを読む
Posted by smily2005 at 22:02Comments(0)TrackBack(0)

2005年02月12日

「『株』で3000万円儲けた私の方法」の著者、山本有花 様

山本有花 様

書き込みありがとうございます。
著者じきじきのお便りで恐縮しております。

私のような凡人の場合、まず理性的に考え、判断すること自体が、
なかなか思うに任せませんが、
その上、折角正しい判断ができても、その場の空気や成り行きに周章狼狽して、
違う行動に走ってしまう、ということが、しばしばあります。

山本さんの場合は、理性的な判断に優れ、その上、考えたことを、
沈着に行動に移せる方のようですね。
これは誰にでも出来ることではないように私は思います。

大多数の平凡な人たちに”株式投資を楽しむ方法”を指南なさるなら、
現品担保の「繋ぎ売り」や、思惑が外れたときに備えてのヘッジの手段など、
”安全策”を中心に紹介されたらいかがでしょうか。

でないと「株式投資」が、ただのギャンブルになってしまいます。
株式投資が本質的に持つギャンブル性自体を、楽しむ方法を、
紹介するのが御著書の目的なら、
私は頓珍漢な批評をしていることになりますが。
御著書は、私には「オブラードに包んだギャンブルのすすめ」に見えるのです。
主婦にギャンブルを勧めることなど、もちろんしない方が良いでしょう。

山本さんの、今後のご発展をお祈りいたします。(以上)
  
Posted by smily2005 at 10:46Comments(1)TrackBack(0)

2005年02月06日

スマイリーの読書クラブ

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○●○ スマイリーの読書クラブ・新版 ●○●
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−スマイリーの読書クラブ−
1.毎月第一月曜日の朝発行です。
2.読書好きの働き盛りの方々に、多彩な書籍の情報をお送りします。気に入っていただけたら、オンライン書店で、すぐに購入できます。
3.コンテツンツは次のとおり。
 (1)注目のビジネス本
 (2)新聞・雑誌の読書コーナーから
 (3)特集:
 (4)図書館の蔵書から
 (5)今週の心に残る言葉
 (6)スマイリーの日記
4.登録・解除はこちら
http://www.mag2.com/m/0000131354.htm
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−第1号(2005年2月7日発行)−

0.始めに
本好きの皆さん、こんにちは!スマイリーです。
元気にお過ごしですか。
しばらくお休みをいただきましたが、今日から発行を再開いたします。
なお、今回から月間でお送りいたします。
今回は、私には珍しく、今、旬の本を中心にご紹介いたします。

(目次)
1.注目のビジネス本
―和田亜希子「アフィリエイト徹底活用術」(翔泳社。1600円+税)―
2.新聞・雑誌の図書広告から
―山本有花「『株』で3000万円儲けた私の方法」(ダイヤモンド社。1400円+税)―
3.特集:古典再読
―太宰治「人間失格」(新潮文庫)―
4.図書館の蔵書から
―魚輪タロウ「京ぽんの本」(毎日コミュニケーションズ。1200円+税)―
5.今週の心に残る言葉 
6.スマイリーの日記
(アマゾン)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?tag=smilynet-22
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▼やったあ!毎日5分でWEBクリエイターになれる!
http://www.mag2.com/m/0000113225.htm
ネットビジネスのための一口メモ。さらりと読める今日のヒントです。

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1.注目のビジネス本

―和田亜希子「アフィリエイト徹底活用術」(翔泳社。1600円+税)―

●「アフィリエイト」とは自分のHPやBLOGを使って売買を取り次ぐ、言わばネットを使ったブローカー行為(=手数料取引)のことです。今、急速に広がっています。この本は「アフィリエイト」をやってみたいという人には格好の入門書です。
●この本によれば歴史の新しいアマゾンが短期間にあれだけの規模に成長した理由は、このアフィリエイトの活用にあったそうです。この一事をみても、いずれ日本でもアフィリエイトが広く普及するだろうということは容易に想像できます。
●普通、アフィリエイトを行うには自分のHPを持っていることが前提になりますが、著者は、HPを持っていなくても出来る、と言い、その方法を紹介しています。
●たとえば、今、急速に広がっている無料BLOGサービスを利用すれば、簡単に自分のHP(にようなもの)が持ててしまい、アフィリエイトにも参加できる、として有料・無料のBLOGサービスサイトを紹介しています。
●またアフィリエイトを行うには、普通、取次ぎを専門に行うプロバイダーと契約をしますが、このプロバイダー(=ASP)の代表的なところと特色を紹介しています。
●ここまではどのマニュアル本にも書かれていることですが、この本の内容の特徴は、とにかく痒いところに手が届くような、細やかな目配りにあります。
●例えば、成功しているアフィリエイターを集めた座談会のコーナーがあり、成功者の生の声が聞けます。
●また、主なASPの担当者へのインタビューのコーナーがあり、ASP側からのアドバイスが聞けます。
●また、紹介してもらう側のネットショップの代表的なところをいくつか具体的に紹介しており、アフィリエイトという世界の雰囲気が味わえます。「ここなら紹介したい。紹介すれば、お客様が反応してくれるかも」と思わせてくれます。
●但し、ではこの通りにすれば誰でもネット商売で成功できるかというと、これはまた別の話になります。やはり、重要なことで、書かれていないこと、さらっと流して書いてあることがあります。
●例えば、HTML(=ホームページを作る言語)の知識はなくても大丈夫と書かれていますが、HPの形を作るだけならその通りですが、実際に売れるようなサイトに仕上げるためにはHTMLの知識が必要なようです。
●また、「コンテンツの充実が大事」とさらっと書かれていますが、実を言うと、本音は「始めに充実したコンテンツありき」のようなのです。この“充実したコンテンツ”を用意するのが大変なのです。
●「アフィリエイト」というと、遊んでいても勝手に売り上げがあがっていくようなイメージがあります。とんでもない。ネットツールをフル活用した熱心な販促活動が必要らしいのです。
●最後に、これは別の本に書かれていたことですが、アフィリエイト業界の売り上げの8〜9割は、僅か1割の“スーパーアフィリエイター”が上げているのが現状だそうです。凡人がラクして儲けられるほど甘い世界ではないようです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798107255/smilynet-22/250-6023426-6836251

2.新聞・雑誌の読書コーナーから

−山本有花「『株』で3000万円儲けた私の方法」(ダイヤモンド社。1400円+税)−

●今、話題の本です。新聞にもしばしば広告が出ていて、読者の声も紹介されています。曰く「私にもこれなら出来そう」、曰く「これしかないと思った」云々。これまで株式投資に縁のなかった人がこの本を読めば、確かにそう思うかもしれません。
●しかし、先日の朝日新聞の書評で、精神科医の香山リカさんが「この本の著者は実在しないのではないか」と書いていました。私も同感です。なんだか怪しいところのある本です。
●この本の終わりのほうで、著者は、自身の優雅な専業主婦ぶりを紹介しています。新聞も読まず、本も読まず、毎朝40分、パソコンの前に座るだけで、毎月数十万円が確実に転がり込む、と著者は豪語しています。
●しかし、ちょっと待ってください。この本で書かれている手口は、少なくとも10年前なら、完全にプロの手口なのです。まったくの素人が、最初から信用取引に手を染め、早々に空売りを行うなんて、私には考えられないことです。
●信用取引が梃子の原理でハイリスク・ハイリターンになることは、確かにこの本にも書かれています。しかしこの信用取引で財産を失った人が過去にどれだけいるかについては触れられていません。
●「空売り」についても同様です。「買い」なら、最悪の場合、相場がゼロになったところで損失が確定しますが、「売り」の場合、売った後に値上がりし出したら、理論的には「青天井」ですから恐ろしいことになります。昨年も20数倍になった銘柄があったそうですが、4、5倍になったところで、「ひと相場終わったはずだ。」と空売りした人がいたかもしれません。その後、その人は夜も眠れなかったことでしょう。
●このような危険がいっぱいの信用取引をいきなり素人に勧めるのはいかがなものでしょうか。
●もう一つ、この本の内容で気になったことがあります。それは、確実に売買が成立するように、出来高の多い銘柄を選びなさい、というアドバイスです。
●株式市場での個別銘柄の流通量は、株主持ち合いなどの事情で、必ずしも資本金の大きさとは連動しませんから、確かに著者の言うとおりです。資本金の小さい会社や、大株主がいて「品薄(しなうす)」になっている銘柄を選ぶと売買が思うように成立しないことがあります。
●確かにその通りですが、しかし、同時に、著者のこのアドバイスから、著者がかなり大きな金額を動かしている臭いがします。著者の3000万円への道は、著者が書いているような、小さな元本を着実に売買ゲームで増やしただけではなく、信用取引で「大きく張って」儲けている可能性があります。大きく張れば、自分の思惑通り確実に売買を成立させるためには、出来高が気になるのは当然です。
●株式投資初心者の方は、この本だけで判断せず、他の本や、経験者の話をいろいろ聞いてから慎重に判断した方が良いでしょう。この本の内容がすべて事実なら、著者は株式投資の天才であり、私を始めとする大多数の凡人には参考にならないだけでなく、害になる本です。
●仮に、この本の内容が事実でないなら、罪作りな本を書いたものです。また、私見では、この本は、業界人が仕掛けた、カモを誘いこむための巧妙で悪辣な罠かもしれません。
●なお、株式投資にすでに長い経験のある方なら、この本はある意味でお薦めできます。〆膿靴粒式投資支援ソフトの機能が紹介されていること、空売りも三日から一週間の超短期なら失敗しても傷が浅くて済むこと(但し、思惑が外れたとき、思い切り良く損切りする覚悟が必要。「見切り千両」です。)、6畴になって、ネット取引を使えば売買手数料が随分安く済むようになっており、短期の回転売買もある程度採算が取れるようになっていること、などが紹介されており、参考になります。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478630925/smilynet-22/250-6023426-6836251

3・特集:古典再読 −太宰治「人間失格」(新潮文庫)−

●この作品は私にとっては、中学二年のときに読んで衝撃を受けた、思い出の作品ですが、それはともかくとして、数十年ぶりに読み返してみて、さほど作品の印象が変わっていないことに驚いています。古びない小説と言えるでしょう。古典と呼んで差し支えないと思います。太宰治の才能の大きさを感じさせます。
●作品は、精神病院の入院患者の手記という体裁をとっています。ストーリーは、地方の地主の世間知らずの坊ちゃんが都会に出て、与太者に翻弄され、妻を目の前で強姦され、それがきっかけで麻薬中毒になり、精神病院に入院するというものです。
●しかし、この作品の場合、ストーリーはあまり重要な意味を持っていません。読みどころはこの作品の記述全体を覆う、作家の異様な感性です。中学時代の私がこの作品に興味を持ったのも、「太宰治読本」という案内書にのっていた、この作品の抄録の異様な雰囲気にあてられたのがきっかけです。以下に、少し引用してみましょう。
●「恥の多い生涯を送ってきました。自分には、人間の生活というものが見当がつかないのです。」
「自分は停車場のブリッジを、(中略)ずいぶん垢抜けのした遊戯で、それは鉄道のサーヴィスの中でも、最も気のきいたサーヴィスのひとつだと思っていたのですが、後にそれは(略)すこぶる実利的な階段に過ぎないのを発見して、にわかに興が冷めました」
「自分は子供の頃から病弱で、よく寝込みましたが、寝ながら、敷布、枕のカヴァー,掛布団のカヴァーを、つくづく、つまらない装飾だと思い、それが案外に実用品だった事を、二十歳ちかくなってわかって、人間のつましさに暗然とし、悲しい思いをしました。」
「自分は、空腹ということを知りませんでした。(略)自分には「空腹」という感覚はどんなものだか、さっぱりわからなかったのです。(略)子供の頃の自分にとって、最も苦痛な時刻は、実に、自分の家の食事の時間でした。」
●以上はこの作品の冒頭部分からの抜粋です。現在の私は、読み返しても、中学時代のように衝撃を受けるということはありませんが、しかし、同じ太宰の作品でも、この「人間失格」だけは、そのむき出しの感性の異様さで、他の作品とは異なる印象があります。
●今回号では「現実的」「実利的」な本を中心に紹介しましたが、これらの世界とは全く別世界に住む人種が世の中には存在するということは、私は忘れないようにしたいと思っています。  続きを読む
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2005年01月08日

堀江貴文著「百億稼ぐ超メール術」を読みました。

●堀江貴文著「百億稼ぐ超メール術」を読みました。以下に感想を書いて見ます。
●私の場合、「ライブドア」と聞くと、昨年までは、野球のことばかりが頭に浮かんでいました。また、週刊誌が一時期、「『ライブドア』の社員は、若いくせに、非常に態度が悪いらしい。」なんてことを書き立てていたので、正直なところ私はライブドアにあまり良い印象は持っていませんでした。
●しかし、先週、この本を読んでみてライブドアに対する印象が一変しました。
●この本を買った動機は、もともと業務で現状打開のうまい方法がないかと、ずっと考えていたところに、メールの活用をうたった本書が目についた、というものです。
●読んでみてびっくり。IT技術的にも、経営思想的にも、目から鱗です。また社長の社員に対する包容力、愛情にも。  続きを読む
Posted by smily2005 at 19:02Comments(0)TrackBack(0)